堅牢さの秘密は石の内側に
岩国城(岩国)
石積みの技としては、大きく分けて野面積、打込みハギ、切込みハギの三種類に分けることができるといわれています。 穴太衆積は、野面積を代表する積み方で、一見粗野に見えますが、堅牢さは比類なきものがあります。
その秘密は積み石の比重のかけ方にあって、表面から1/3位奥のところに重力がかかるように設計されており、さらに 土の水ぶくれによる崩壊を防ぐため、石垣の奥に栗石層、その奥に小石をつめていくなどして排水をよくする工夫が施されています。 このように目に見えない部分に穴太衆積ならではの秘伝の技が潜んでおり、それが何百年の風雪に堪え得る堅牢さを生み出しています。
石の声を聞き
石に従うことが仕事です
石の集積場へ行き、たくさんの石の周りを1日か2日かけてゆっくりとぐるぐる周りながら、一つひとつ違う石の 性格を覚えていきます。
そうして頭の中に絵を描きながら配置を組み上げていくのです。実際に石積みに着手するときは、すでに頭の中に設計図が ほぼ出来上がっているわけです。石を見分けるというより、石と対話しながら石の声に耳を傾けていく。 石と長く付き合っていると石のほうから教えてくれるようになるのです。穴太衆積の技法はすべて口伝されてきましたが、 それは秘技だからというよりも文字では表現できないからです。